2016年の熊本地震から早くも5年が経過しています。
最も被害が大きいと報道された益城(ましき)町で、現在沈下修正工事を行っています。
熊本地震の後に、数多くいた沈下修正業者を全く見なくなりました。
修正工事が一段落したのでしょうか?
補助金が終われば、ご依頼がなくなるのでしょうか?
建物の不具合などがこれから出るかもしれません。
弊社は熊本県の協力会社と共に、ご相談がありましたら引き続き対応できる体制作りをしております。
どうぞご気軽にお問合せ下さい。
今回の物件は11月中に沈下修正工事を完了するお約束でしたので、
バタバタしながらも先週から沈下修正工事に取り掛からせて頂きました。
建物増築部分が10cm近く沈下していたのですが、、、
それよりなにより基礎が母屋からズレています!
地震の際に横ズレしたのだと思いますが、母屋と増築部分廊下の接続部分が破損しています。
地震から修正されずにそのままの状態で残されていました。
修正工法は耐圧板工法で行います。
基礎下端に油圧ジャッキを設置して耐圧を一ヶ所ずつとります。
反力が付いた段階で建物を全体上げし、微調整で±5㎝まで建物レベルを修正します。
建物に傷みが出ないように事前にジャッキ位置を計画し、現状の基礎クラックなどを確認しながら最終位置を決定します。
建物規模が小さいので小型の油圧ポンプを使用します。
分流器を使用し11台の油圧ジャッキを操作します。
反力を得るためにコンクリート平板で掘削箇所を押さえるのですが、
建物下が粘土質でジャッキを縮めるとトランポリンのように地盤が戻ってきます。
メーターを確認しながら反力付け作業を繰り返します。
鋼管杭工法やダブルロック工法のように地盤に対して沈下対策を行わないので、
施工経験が浅い場合、今回のような反力付けの施工は難しいのではないでしょうか。
レベル修正時は内部にレーザーレベルを複数台据え付け、
建物が上がるたびに基準点から据え直しを行いながら、正確に誤差が無いように建物を持ち上げます。
周囲の犬走りが基礎と一体になっていたので一緒に持ち上がってきました。
写真の土間下の空隙が今回建物が持ち上がった量です。
この場所で8cmくらい上がりました。
写真ではあまり判らないのですが、実際に建物が持ち上がっているのを見ると『おおおおおおお・・・っ!』と驚かれると思います。
施主様立会いのもとで内部のレベル計測を行って確認して頂きます。
その後、この空隙をバルクアップ充填材で充填します。