施工に困った建物・・・

 

平素より大変お世話になっております。

(有)西川総合建設スタッフです。

 

気が付いたらこのブログの更新も20回を越えていました。

この20回でいろいろな工法についてお話ししてきましたが、

すべての建物がこれらの工法を用いてスムーズに施工できるとは限らないのが実状です…。

というのも、どうしても“施工に困った建物”というのは存在します。

そこで今回は沈下修正工事に着目して、その例の1部を紹介したいと思います。

 

1). 基礎が無筋またはコンクリートブロック基礎である場合

無筋・コンクリートブロックの基礎であると引っ張りに弱く、有筋の基礎などと比べて脆いため、

従来通りに油圧ジャッキを設置した場合に基礎が破損します…。

ジャッキの数を増やすことで施工はできますが、その分の施工費用が高くなる上に、

傾きのレベル修正を行っても基礎が弱いため、再沈下する可能性が高くなります。

 

2). 機材・機器の搬入が困難である場合

本来なら施工に必要な機材・機器を使用できないことに加えて、その分の手間が増えるため、十分な施工が困難になります。

(ご依頼を受けた際に住所をお尋ねする理由の1つとして、この点が挙げられます)

 

3). 建物が傾いた状態での施工

建物が傾いた状態で沈下修正をすると、それに引っ張られて建物自体の傾きが少なからず直ることになるため、

建具や壁に破損が出る可能性があります…。

(増築やリフォームの際はさらに破損が大きくなりかねないので注意が必要です!)

 

4). 擁壁が原因の沈下

擁壁が原因の沈下の場合、建物そのものを沈下修正することができても、

擁壁自体の沈下修正にはならないため、再沈下する恐れがあります。

また、圧入箇所を多めに設定せざるを得ず、かつ薬液注入も十分にできないため、

費用の高い鋼管杭圧入工法(アンダーピーニング工法)以外での施工が難しくなります。

 

5). 床下の空間がない

沈下修正工事は油圧ジャッキの設置など床下での作業が中心になるため、

床下に入ることができない場合は“床そのものの撤去”を行わざるを得ません。

そのため、沈下修正工事費用以外の床撤去+復旧工事の費用が発生し、結果として高額になってしまいます…。

 

あくまでも1例ではありますが、これらの条件に当てはまってしまうと施工精度の低下

施工できたとしても費用がかさむことになってしまいます。

ですが言い方を変えると、ご依頼前に施工対象になる建物の状態や周辺環境の状況を確認することによって、

施工精度の向上費用を大幅に抑えることができるということでもあります。

ご依頼の際は、前もって建物の状態と周辺環境の状況の確認をしていただけると幸いです。

 

宜しくお願いいたします。

 

(有)西川総合建設スタッフ

 

 

 

<参考URL>

家の傾きLab(https://www.katamuki.net/)

 

 

 

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