平素より大変お世話になっております。
(有)西川総合建設スタッフです。
シリーズ「曳家(ひきや)の工法」第2回は、「レール工法」を取り上げていきます。
明治時代から昭和初期にかけて活躍した「丸太角材工法」ですが、建物本体の補修の必要性や耐震面での不安がありました。
それらの問題を解決すべく登場したのが、昭和中期から昭和50年頃に台頭した「レール工法」と呼ばれる技法です。
レール工法は用いる資材が木材から鉄骨に変わり、丸太角材工法では難しかった長い距離を飛ばして建物を移動させることが可能になり、
また建物を土台から持ち上げられるようになったことから、壁に穴を開けずに建物を移動させられるよう変化しました。
建物を移動させる際には機械の操作によって移動することが可能になっただけではなく、
コロもレールに合う形に変わり、レールの結束時もボルトで行えるようになったため、移動時の安定感が飛躍的に向上したのです。
ただしレール工法は建物に直接穴を開けなくなったものの、
移動後にレールを抜くために基礎の主筋を切らざるを得ないことから耐震性の不安が依然として残ってしまったことに加えて、
建物の重要な柱に直接ワイヤーを掛けて移動させるため、建物に歪みが生まれる可能性があり、
結局施工後に建物の修繕が必要な場合も多くありました。
では現在には以上2つの技術に代わるものはあるのでしょうか?
そこで次回では、当社が得意とする「スクエアフレーム工法」についてお話ししたいと思います。
つづきます。
(有)西川総合建設スタッフ