《 施工班の現状報告 》
京都のお寺の嵩上(かさあ)げ工事に取り掛かりました。
川の氾濫で水かさが増して床上浸水するため、建物を上げて盛土及び基礎増し打ちをしながら
水の浸からない高さで建物を据え付けます。
この地区の氾濫は100年に一度と言われているそうですが、
最近は2~3年に一度の割合となり気候の大きな変化を身近に感じます。
境内にはいくつかの建物があるのですが、先ずは位牌堂から持ち上げます。
内装・外装が漆喰塗なので、レベル調整を通常以上に慎重に行います。
何度もレーザーレベルで水平を確認して、土台下に鋼材を組み付けるスペースを作ります。
最初に建物を浮かすときは多めに油圧ジャッキを設置します。
本来ジャッキ1台当たり30tなので、この建物の重量的には5~6台で浮かすことが可能ですが、
1点に掛かる負荷を分散しないと、建物がすぐ歪んで破損してしまいますので、
念入りに、油圧ジャッキ26台を使用しています。
弊社の14連の同調油圧ユニットを操作して、油圧ジャッキを同時に動かすことが出来ます。
特徴としてデジタルメーターで圧力を目視確認しますので、圧力の異常があればすぐ判ります。
急激な圧力の変化に対しては緊急停止するため、建物を傷める事も有りません。
大切な建物ですので安全対策は十分に考えています。
油圧ジャッキ設置個所の地盤が緩い場合は、油圧ジャッキが沈んでレベルが変わる場合も有ります。
そのため建物全体上げの前に、各ジャッキの圧力を調整して耐圧条件をそろえて最後に全体で始動を行います。
鋼材を土台下に組み込むことで建物を補強します。
補強することで油圧ジャッキの位置も減らすことが可能となります。
床下作業で鋼材を扱うには現場経験が必要となります。
この段階で建物は30㎝以上浮いている状態です。
水切りが銅板で作られており、傷をつけないように土台下の高さ調整を行っています。
組み付けが完了すれば建物の嵩上げ作業になります。
本日は今回はここまでの作業となりましたが、来週初めには1.2mの嵩上げも完了出来る予定です。
また続きをお知らせしたいと思います。
宜しくお願いいたします。
有限会社西川総合建設