平素より大変お世話になっております。
(有)西川総合建設スタッフです。
少し間は空きましたが、沈下修正の工法についての話を再び取り上げていこうかなと思います。
今回取り上げるのは「鋼管杭圧入工法」(アンダーピーニング工法)と呼ばれる、鉄骨・鉄筋コンクリートなど重量のある建物と相性のよい工法です。
まず、名称にも入っている鋼管杭とは地中に打ち込む用の鋼製の杭を指します。
そしてその鋼管杭を用いて、建物を支える層(支持層と言います)まで打ち込むことによって、沈下を修正していく工法になります。
詳細については下記の図と説明をご参照ください。
1).油圧機器を使用して鋼管杭を圧入し、ジョイントで接続して次の鋼管杭を圧入する。
2). 建物を上げる反力を得るために 1)を繰り返し、鋼管杭を支持層まで到達させる。
3).予定していた箇所に鋼管杭の打ち込みをしたのち、支持層からの反力を用いて傾き具合の修正を行い、鋼管杭の頭に支持金具を取り付け、高さを固定する。
4).最後にそこへ充填材を打設し、基礎と鋼管杭を固定する。
鋼管杭圧入工法は擁壁側など薬液注入での施工が困難な場所で使用することが多いです。
また他の工法と比べると高価格であることに加えて、布基礎の建物のような圧入箇所が増える建物での施工だと費用対効果が薄くなるうえに、
結果として10年保証付きの薬液注入工事の方が安くなります。
そして建物への支えが鋼管杭“のみ”の支えであるため、耐震性の面ではダブルロック工法に劣ります。
ではここで質問です。
鋼管杭圧入工法が既に施工されている場所に対して、ダブルロック工法を施工することはできるのでしょうか?
あくまでも状況に応じてというかたちにはなりますが、薬液注入に限りダブルロック工法を追加で施工することができます。
これまで曳家を伴わない沈下修正工事についてお話してきましたが、施工する建物の地盤の支持力が弱い前提でお話しした場合がほとんどでした。
では逆に地盤の支持力があるにもかかわらず建物が沈下した場合、その条件に適した施工方法はあるのでしょうか?
次回はその方法の1つである「耐圧板工法」についてお話したいと思っています。
宜しくお願いいたします。
(有)西川総合建設スタッフ