三河のあじさい寺本光寺本堂沈下修正・嵩上げ工事

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沈下・傾き修正
三河のあじさい寺　本光寺本堂　沈下修正・嵩上げ工事

沈下・傾き修正

三河のあじさい寺　本光寺本堂　沈下修正・嵩上げ工事

島原藩主深溝松平家墓所は国の史跡に指定されている。

　本光寺は、愛知県額田郡幸田町にある曹洞宗の寺院で、通称「あじさい寺」として知られています。山号は瑞雲山であり、徳川家康と共通の祖を持つ島原藩主深溝松平家の墓所は国の史跡に指定されていることから、文化的価値が高いと評価されています。5～6月は参道や境内を埋めつくした約1万本の紫陽花が訪れた人の心を癒やしてくれます。
　2020年はコロナの影響によって「あじさい祭り中止で観光客が来られないと思っていた」とお聞きしましたが、TV中継されたことで一気に観光客が来られたとのことでした。
　
　そんな由緒ある本光寺様本堂の沈下修正と土台取り替えに伴う嵩上げ工事を、㈱創建様のご依頼で施工させていただきました。

　本堂の大きさは600㎡越、資材を大量に運び込むためトラックで滋賀県～愛知県を何十回も往復しました。
進入路が狭く急こう配で、樹木の枝にあたって折れないように注意しながらの搬入作業です。
　一度に置ける場所がなかったため、鋼材の組付班が順次建物内部に鋼材を運び込み、柱に組み付けていきました。

　本堂の敷地は史跡であるため、地盤を傷めることができません。建物面積が大きく昔ながらの瓦葺のため、重量があるのは見て判るほどです。この建物を上げるための反力を史跡の地盤から得なくてはなりません。
　建物内部に全面サンド養生を行い、ならしていきます。その上に鉄板等の面で重量を分散できるように何重にも養生をします。
　壁も傷められないので角スパン3cmごとの上げしろで徐々に浮かせて沈下量15㎝をまず修正します。

　沈下修正後は根継ぎと土台を替えるための嵩上げを行います。油圧ジャッキの位置を入れ替えながら、建物を傷めないように3㎝ずつ持ち上げます。
　全体を浮かすため何回も作業を繰り返します。現場判断で油圧ジャッキの数を増やし、移動を極力なくして工期短縮を目指します。油圧ホースの総延長は1.5㎞を超えていました。

　建物を外した長さが45mを超える本堂は、遮るものが減り建物の大きさがよく判ります。
　使用されている敷居や柱など、すべてが再利用のため汚すことができません。作業の行来にハシゴを使って跨いだり、敷居の下をくぐったり・・・通常とは異なる動きに疲れが出ます。
　建物を降ろして据え付ける時期が7月末までであったことに加え、お盆までには工事を完了させる必要があったことから、連動油圧ポンプを1台から2台に増設し、大勢の職人に協力していただけたことで、なんとか鋼材の搬出まで完了しました。
　