建物を移動する
福井県の鉄骨倉庫の曳家工事
河川の上を渡った鉄骨倉庫!
㈱直組様のご依頼で農業倉庫を約100m移動しました。
移動経路に田んぼと河川がありましたが、河川上に鋼材を組んで橋を作り、移動先まで全面鉄板敷きで養生して移動となりました。
河を渡ってから建物を回転させて新設基礎の上に据え付けて完了です。
長距離の移動のため、道つくりの高さ設定をどこにするのか悩みどころでした。

まずは基礎の立上がりを解体して足元を鋼材で組み込めるようにします。
土間を斫って鉄骨柱のベースプレートをすべて出し、アンカーボルトを外して持ち上げる準備をします。
柱の通りやH型鋼の向きによって組み込みの難度は変わってきますが、臨機応変に対応できるのが職人の技術です。

田んぼの上に養生とフレコンバックに入れた土を順番に置いて最後に鉄板を敷き並べます。
この物件は3月の着工でしたが、4月には田んぼの準備があることから、養生をすべて撤去することが田んぼの所有者様とのお約束でした。そのため工期に余裕がなく、時間に追われた作業になりました。

建物を上げ始めるころには移動先の基礎工事が大詰めでした。
河川を渡ってから角度調整と位置を微調整するのですが、最短距離を移動して新しい基礎に載せるのが理想です。
そのために建物をどの角度に向けるのか?
・・・その角度を間違うと遠回りになります。

理想的な最短距離の移動と裏腹に、角度調整に手間取りました。
鉄骨柱のベースプレートを新設基礎の加工したアンカープレートに載せ、レベルを合わせて溶接して建物を固定します。
移動後にベースプレートを巻き込んだ土間コンクリート打設と立上がりを打設して完了になります。