建物を移動する

京都嵐山 特別な住宅曳家工事

「なんでも鑑定団」の先生のご実家

 ㈱山庄様のご依頼で木造2棟基礎遣り替えと柱継ぎに伴う嵩上げ工事を行いました。この物件はなんでも鑑定団の鑑定する先生のご実家で展示場に改修するとの事でした。
とにかく嵐山は道が狭い上に観光客が多く、トラックが通ろうが誰も道を譲ってくれません。
 この建物も狭い道路の突き当りでトラックのミラーを畳んでも垣根にあたる幅しかなく、この場所で2棟の嵩上げを行うにあたり、資材搬入と搬出が困難を極めました。
鋼材の組付け時も長尺鋼材を動かすには狭い敷地でした。曳家には広い場所が必要であるとつくづく身に染みました。

 建物敷地外からしか全体写真が撮影出来ません。
建物裏は別の方の敷地ですので撮影できず1枚も写真がありません。
 垣根があるのでなんの仕事をしているのか判らないのですが、建物を持ち上げています。

 2棟あるうちの1棟は1m程度移動するためそれを見越した組付けをするのですが、土台が腐っている箇所が多く思うように鋼材を配置出来ません。かつ仕上がりが土壁をそのまま生かすとのことだったため、壁に柱縛りの穴も開けられない状態で組付け方法は散々悩みました・・・。

 もう1棟は3.5m持ち上げています。建物下に机を置いて事務所となっており設計事務所様も時折来られます。壮大な嵩上げ工事に感心していただきました。
 基礎は直径16以上の異径を使用するなど、一般住宅で考えられない鉄筋量でした。

 外壁に沿って立ち上がっている鉄筋は2階梁までコンクリートを打ちこんで、柱として建物の耐震をアップさせるとのことでした。
昔の建物の内観はそのままで、外周りはコンクリートの柱を何カ所も立ち上げて耐震強化をされます。基礎の土間厚みが30㎝でダブル配筋のため、この柱と基礎は一体化しています。
構造計算もできているそうで、今までにない工事体験をさせていただきました。

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