建物を移動する
回転を伴う曳家工事
建物は直角とは限りません!
㈱総進建設工業様のご依頼で木造平屋お移動と回転工事を行いました。
平屋の建物の一部を解体して建物を移動します。その後増築を行い、施主様が理想の建物に仕上げます。玄関の庇が丸柱で鋼材で受ける場合、接する面積が小さいので十分養生を行わないと滑り落ちる恐れがあります。内外部ともに良い材料を使われており、立派な建物です。
既存の基礎立上りを斫って鋼材を通します。土台下に組込むのですが内部床は出来るだけ現状のままで作業を進めます。進入路はユニック(クレーン付トラック)が通れる幅はありますが、建物のある敷地内までユニックを使って材料を入れられないため、その日に持ち込んだ材料を使い切るように調整して作業を進めます。
回転は建物中心を軸にして回転するのが基本ですが、そのような現場は少数です。
今回も建物の出隅を回転軸として全体の移動の道つくりを行います。ローラーが左右にぶれないように軸から道の長さを揃えて円を描きます。軸は固定したまま、油圧ジャッキで建物外円側を後ろから押して建物を回転させます。中には軸を2回3回と変える物件もあり、経験と慣れが必要です。
基礎上に建物を移動し微調整を行います。きっちりと基礎と建物が合って収まりました。
古い建物に基礎ツラと建物ツラがズレている事がよくあります。昔の建物は345などで直角を出すことが多く正確さを欠きます。建物は直角である!と思い込んで基礎を作ると、角度にズレが出ます。
大きい建物ほど角度の違いで大きな誤差が出ますので、曳家工事の基礎は建物を上げた際に既存の基礎を計測するのが最も確実です。
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